お知らせ
背伸びでは届かないモノ
今日も同じ時間にバスに乗る。
この町は車があれば何処の県より便利がいいのだから、車使ったら?なんて言われるのだけど
確かに、車を使えば利便のいい住みやすい、いい意味で小さくまとまった町なのだけど
バスに揺られて、背伸びでは届かない高さから眺める
毎日同じ様で少し違う景色、
同じ町で人生を歩んでいても、お互いのストーリーでは交わることは無いであろう人や車の往来、
運が良ければ、一瞬並走する路面電車
これを毎日、朝と夕方見るのが好きなのだ。
大人になった今肩車してもらうわけにもいかないし、自分で運転していたらそれを感じる事は出来ないし…
後はただバスを待っている時間、これも好きになった。
昔は嫌いだった。無意味な時間だと思っていたし、少し遅れる時だってあるし
でもこの町と一緒に歳を重ねていくうちに、なんか上手くは言えないけれど
ただバスを待っている時間も自分が映画のワンシーンの中にいる様な、
そんな感覚で今は好きなのだ。
あ、バスが来た。
今日は夕日がとびきりご機嫌で、暖かい橙が人に、車に、町に
反射して、反射して、反射して
「きれいだ…」
バスに揺られながら思う、
明日もいい日になりそうだ…