
お知らせ
雨潸潸(あめさんさん) その6
「来年の正月、バラマキに推薦したい男がいます。」
「ほう、君が直々に推薦するとは珍しい。どんな人物なのだ?」
「私の弟です。もちろん弟にいい経験をさせてやりたいという思いもありますが、それだけではありません。
彼は地下八階の発電施設で、個人の発電量として今年好成績を残しております。
ロードバイクを使ったバラマキは初めてですが、地下八階の住人に
より効率的に多くのお年玉をばらまけるでしょう。
支持率をあげる。不満を解消するには、やはりお金。
政府の支持率も上がるのではないかと。」
「ふむ、それも一理あるか…まあ優秀な君の珍しいお願いだ。今回は任せよう。」
私は弟に手紙を送った。一言おめでとうと添えて
バラマキに任命された節の手紙を。
すまない。俺は君に伝えていないことがあるんだ。お年玉の中身はお金ではなく
政府が隠している情報の公開と告発文なんだ。
バラマキが終わったとき、君は逮捕されるだろう。私の協力者として。
すまない。でもこれしか方法がないんだ。正義を貫くためには…
つづく