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2020.12.04
書きもの

占い (一話完結)

公園でブランコに揺られながら夕日を見ていた。

 

 

冬が近づくと夕日が美しく見える。これは空気が乾燥しているから、

 

 

水蒸気の少ない空に太陽の光が乱反射せず、まっ直ぐ通るためだが

 

 

それだけではなく、冬の寒さや切なさが相まってより美しく見えるのだ。

 

 

切ない。俺は先日仕事をクビになったのだ。

 

 

最近流行りのウイルスにより、外出自粛で職場だったお店も閑古鳥が鳴き

 

 

オーナー夫妻だけでやっていくことになったのだった。

 

 

文句は言えない、仕方ないよ。世の中こんな事態ではな。でもこれからどうしようか…

 

 

仕事も簡単には見つからなかった。公園でブランコを揺らす日々。

 

 

せめて日銭を稼がなけば…

 

 

なんとなしに見ていたテレビ番組を見て、「これだ!」と思った。

 

 

【占い師】

 

 

正直俺には人の未来なんて一切見えない。自分の未来すら何も見えないし、不安しかないが

 

 

やろうと思えば今日から始められる。椅子と机さえあれば、路上でやれるさ。

 

 

え?それって詐欺じゃないのかって?

 

 

そうだよ。でももうそれしかないんだ。そう自分に言い聞かせて

 

 

さっそく商店街の片隅に椅子と机を置いて占い師を始めた。

 

 

一時間…二時間…

 

 

誰も見向きもしない。時給ゼロ円かよ、やっぱりもう一度バイト探すか。

 

 

結局四時間座っていただけで収穫もなく、帰ろうとしていた時

 

 

「すみません、占ってもらえますか?」

 

 

そういって、一人の女性が声をかけてきた。

 

 

彼女は少し疲れた顔をしていたが、なかなか可愛らしい人だった。

 

 

さっきまでやる気に満ちていたのに、いざ占ってほしいとわざわざやってきた人間を目の前にすると

 

 

後悔と罪悪感で頭の中が真っ黒になった。

 

 

俺はこれから、この人に嘘をつくのか。嘘をついてお金を貰うのか。

 

 

「何か占ってほしいことはありますか?」

 

 

膝をつねって、後悔と緊張による身体の震えを紛らわせ、冷静を装って聞くと

 

 

「今年は楽しいクリスマスになるでしょうか?」

 

 

と聞いてきた。毎日仕事場と家の往復で

 

 

ここ数年クリスマスも毎年一人で寂しいらしく

 

 

占いも信じるほうでは無かったが、なぜか今日は目に入ってきたのだと

 

 

少し恥ずかしそうに言うので

 

 

「今年は最高のクリスマスになりますよ。いい人もできて、幸せで、楽しい日になります。」

 

 

誰でも言えそうなことを、しかし絶対にこの人が幸せになって欲しいと本当に願って、言った。

 

 

嘘にならないように願って、言った。

 

 

「この商店街の真ん中に毎年建つ、大きなクリスマスツリーが見えます。大丈夫です。」

 

 

「ありがとうございました!」

 

 

少し表情が明るくなった彼女は財布を出したので、お金はいりませんと断った。

 

 

彼女は申し訳なさそうに、来てくれたら何かサービスしますね。と言って

 

 

最後に名刺を渡すと、帰っていった。

 

 

奇しくも俺が働いていたのと同じ職業で、彼女も別の洋菓子屋さんで働いていた…

 

 

 

 

翌日、俺は昨日あったことについて考えていた。

 

 

本当に彼女は楽しいクリスマスを過ごせるのだろうか…

 

 

俺は悪いことをしていると思いながらも、彼女がくれた名刺を持って

 

 

本物の占い師のところへ向かった。

 

 

俺自身も占いに興味は無かったが、もし楽しいクリスマスが過ごせるとなれば

 

 

罪悪感からも解放されると思っていた。

 

 

「この方は今年のクリスマス、楽しく過ごせますでしょうか?あ、あといい人とかできますか?」

 

 

そう尋ねると、占い師は顔色一つ変えずに答えた。

 

 

「クリスマスの日、彼女のことは何も見えません。恐らくそれまでは生きられないでしょう。」

 

 

混乱と動揺で頭の中が真っ白になった。

 

 

「12月23日に何かが起こるのが見えます。」

 

 

何をでたらめを言っているんだ。そう思った、いや、思いたかったのだ。

 

 

心配になった俺は、それから毎日、朝は彼女が働く洋菓子屋さんに顔を出した。

 

 

そして仕事が終わって、夜は彼女が家路につくまでこっそり付いていった。

 

 

無職でよかった、今だけは…今日も大丈夫だった。

 

 

これがばれたら警察に通報されるだろうか…詐欺罪の次はつきまとい行為か。おれは何をやっているんだろう…

 

 

でも明日は23日、明日無事に家路につければ、占いは外れて彼女は生きている。

 

 

あと一日…

 

 

 

 

23日、今日もいつも通り朝顔を出すと、彼女はいた。あとは夜だけだ。

 

 

十一時、洋菓子屋の電気が消えて、彼女が店を出る。

 

 

スマートフォンを見ながらお店の前の横断歩道を渡ろうとした時、

 

 

信号無視の車が、彼女に迫っていた。

 

 

23日に何かが起きて、彼女は生きれないと聞いていたおれは

 

 

その時すでに彼女を押し飛ばしていた。

 

 

 

 

24日、彼女は生きていた。

 

 

俺も生きていた。骨は折れたけれど。

 

 

良かった。占いは外れたみたいだ。

 

 

彼女に車いすを押してもらいながら、商店街のクリスマスツリーを一緒に見に行った。

 

 

「助けてくれてありがとう。今年は楽しいクリスマスになった。占い当たったね。」

 

 

そう言って笑う彼女を見て、

 

 

もう一度仕事探そう、もう一度洋菓子屋で働いて、いつか2人で小さなお店を出そう。

 

 

そう思った。俺たちは大丈夫。これからも、ずっと…

 

 

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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